越前おろしそばの由来について
大根おろしを“そば”にかけて食する“おろしそば”は全国的にみても珍しい食べ方でありました(昨今ではかなり全国的に広まりましたが)。
慶長6年本多富正公が京都の伏見から府中(現在の越前市)城主として国替えの際、金子権左エ門という“そば師”を連れてきました。そしてそばの栽培を奨励し、非常食として公自身も非常にそばを好み、現在の様なそば切りにして大根おろしをかけて食べたと言い伝えられており、これが“越前おろしそば”のはじまりといわれております。
そばの栄養価 理想的な栄養バランス
そばは栄養のバランスが大変よく、特にたんぱく質がほかの穀類・麺類より多いばかりでなく、リジン・トリプトファン・メチオニンなどのアミノ酸が多く、その組み合わせがとても優秀なのです。その他白米食に不足しがちなビタミンB1・B2・ナイアシンが多く、カルシュム・鉄・マグネシュウム・マンガン・アルミニュウムなどのミネラルやまた血管を強くし、血圧降下の作用を持つルチンという物質が含まれております。ほかにたんぱく質や脂肪を分解する種々の酵素を持っているので、大変消化のよい食物であります。そばを常食している地方には長生きの方が多いといわれているのもなるほどとうなずけるわけでございます